うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

白村江

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荒山徹、PHP

☆☆☆

日本で古墳を作っていたころ、日本は朝鮮半島に領土を持っていました。任那(みまな)というのですが、それを新羅(しらぎ)に滅ぼされたのが562年です。それ以後、朝鮮半島では高句麗(こうくり)、百済(くだら)、新羅という3つの国で覇権を争って戦い続けます。

 

日本はその内戦に不介入を貫き、百年経とうというころになって【白村江の戦い】(663年)が起こります。朝鮮半島での権益を失ってから百年も経って、なんで軍隊を朝鮮半島に送ったのかずっと不思議だったので、歴史小説でも読めば腑に落ちるかと思い、この本を読むことにしました。

 

読んでみて結論を先に言うと、よく分かりませんでした。結局、この時代の資料が残っていないので真相は分からないのでしょう。しかし、事件が起こった時代背景は分かりました。

 

朝鮮半島では百年以上にわたって戦乱が続いていた。
超大国の唐が朝鮮半島に軍事介入していた。
百済が最初に滅んだ。
④当時は朝鮮半島と日本の往来が盛んで、難民となった百済人が日本にたくさんいた。
⑤日本は平和が長く続き、国力が充実していた。
朝鮮半島の権益を懐かしがる人が日本にいた。

 

箇条書きにすると以上のような条件が複合的に重なって、日本は唐と新羅の連合軍と白村江という川の河口で海戦に至りました。

 

物語は、日本に亡命してきた百済の王子様の目線を借りて進むので、運命に翻弄される気の毒な人の物語となっています。物語の記述を信じれば、白村江の戦いはたった2日で決着したそうなので、戦闘シーンも長編小説のわりにほんのちょっとです。なので、戦記物として読むことはお勧めしません。

 

戦争が起こるまでの経緯を知りたい人が読む本でしょうか。。。