☆☆☆
40代女性に向けて書かれた中年論です。
軽妙でコミカルな文章なので、難しい話で頭が痛くなるなんてことは絶対にありません。暇つぶしに読むのにピッタリです。
40代を悩ます問題の双璧は、
①子供の教育費
②親の介護
の二つではないかと思うのですが、①については、酒井さんは独身で出産経験なし。
②については、お父様の介護はお母様に丸投げ、そのお母様はお父様を見送った後に突然倒れて他界、と介護をせずに済みました。
では、何について書かれているかと言うと、
ア)いつまでも若く見られたい
イ)いつまでも男性からチヤホヤされたい
の2つです。
ただし、この本が現在の40代女性に支持されるか私は疑問を抱いております。
酒井さんはバブル経済絶頂のころに社会人になられ、たいへん美味しい思いをされた方で、そのことが本のあちこちに書いてあるのですが、今の40代と言えば、まさに《氷河期世代》です。文筆家になって成功をおさめ、40代になってからもバブル時代と変わらぬ旺盛な消費活動を続ける酒井さんに共感するでしょうか?
「私も80年代に学校を卒業したかった」
と反感を持たれる可能性が大きいように思われます。今の40代は、男女ともに、酒井さんのように能天気じゃないと思うんですよねぇ。