紙吹みつ葉、実業之日本社文庫
☆☆☆
文庫本の裏表紙には本の紹介が書かれています。この本のそれは、
『富士見西口公園に散歩にやってくる、三人のおっさんと三匹の柴犬。犬の名前は知っていても互いの名前は知らない〈パパ〉同士は、犬との生活で起きる些細な事件に首を突っ込みあっては、犬の話題に花を咲かせ続ける。そこに麗しき美女と白柴の子犬が・・・犬を愛するすべての人と、現代社会に疲れた人に癒しを贈る、公園ダベリエンターテイメント!』
と書かれています。
紹介の通り、ひたすら三人のおじさんが雑談しているだけの小説で、読んでいて脱力させられる内容です。それを癒しと感じるか、退屈と感じるかは人によって分かれると思います。
美女は登場するのですが、設定が極端に非社交的な美女ということで、現れては通り過ぎるという役柄です。
てっきり、美女を巡って三人のおっさんが右往左往するものと思っていた気持ちは、みごとに肩透かしを食らいました。
まぁ、感染症に苦しむ現在、雑談の価値が見直されているので、こんな生産性ゼロのおじさんの雑談をダラダラと読むのもありかと思いました。
文章は読みやすいので最後まで読めましたが、お勧めの度合いを5段階評価するなら、《2》です。