うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

ドアを開けたら

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大崎梢祥伝社

☆☆☆

久しぶりに推理小説を読んでしまいました。なんとなく手に取って読み始めたら推理小説だったのです。

 

54歳の独身男性(=鶴川佑作)が主人公です。分譲マンションに一人で暮らしています。勤めていた会社で強いストレスにさらされ、耐えられなくなって自己都合退職し、現在は無職です。

 

もう一人、助手のような感じで男子高校生が活躍します。こちらも学校内の人間関係から現在は不登校になっていて、無職男と不登校男子高校生で事件の真相究明に挑むお話です。

 

事件は佑作がマンション内で友だちになった独居男性のもとへ借りていた雑誌を返しに行ったところ、亡くなっているのを発見したことから始まります。

 

ふつうは、スグに救急車か警察を呼ぶところですが、佑作は考えがあって何もせずに自分の部屋へ帰ります。

 

しかし、友だちだった人の遺体を放置することへの罪悪感から再び現場に引き返すのです。すると、遺体がなくなっているじゃありませんか!マンションはいつものように静かで、救急隊員や警察官が遺体を動かしたようすはありません。

 

「どうして、遺体が消えたんだ?」

 

というところから佑作と高校生のコンビによる捜査が始まり、意外な事件へと繋がっていきます。

 

最初のうちは、佑作がさえない中年男の見本のようなために退屈に感じられるのですが、中盤からは謎が謎を呼んで、最後には予想の斜め上を行く事件の解決に繋がるので、読み進めるうちにページをめくるスピードが上がりました。

 

格闘シーンや銃撃戦など一切ありませんが、推理小説が好きな人にはお勧めできる本です。