うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

帰るには遠すぎて

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赤川次郎双葉文庫

☆☆☆

ド田舎の山の中にある集落に単身赴任していた柳沢(50歳前後)は8年ぶりに東京へ帰ることになりました。

 

いくら単身赴任だからって、8年間実家へ帰らせてくれない会社もひどいですが、このド田舎、東京まで帰るのに24時間以上かかる所にあるというのです。

 

柳沢は電車で帰るので、離島ではないはずですが、、、そんな場所は日本にありませんよね?でも、設定なので仕方ありません。

 

さらに、この普通のおじさんに高校一年生の女の子が恋をしていて、東京までの道中についてきてしまうのです!う~ん、そんな女子高生が日本にいますかね?でも、設定なので仕方ありません。

 

この2つの設定だけでも面倒なのに、柳沢のことを追跡する二人の訳アリ中年女性が出現します。柳沢は、はじめは身軽に一人で帰省するはずだったのに、どんどん重たい旅になってしまうのです。

 

そんなわけで、柳沢は旅の道中で何度もトラブルに巻き込まれます。しかし、根っからの善人である柳沢は、くっついてくる面倒な人たちを献身的にお世話します。

 

そうこうするうちに、こんがらがっていた事情が勝手にほどけて、柳沢が知らないうちに解決しているという、なんとも不思議な小説です。

 

「そんな都合のイイことってある?!」

 

と、私は何度も声に出しましたが、人生は偶然に支配されているので、運が良い時はこんなものかもしれません。

 

読んでもらったら分かるんですが、これだけ問題を抱えていたら現実世界では絶対にハッピーエンドになりません。