うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

あのとき始まったことのすべて

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中村航角川書店

☆☆☆

青春恋愛小説です。

 

中学時代の同級生と、故郷を離れた東京で10年ぶりに再会して始まるドラマを扱っています。

 

社会人になって落ち着いたころ、ひょんなことから職場の先輩が営業に行く会社に、かつて中学3年生のときにクラスメイトだった女の子がいることが分かり、先輩を通じて連絡を取ると、会ってもらえることになります。

 

会ってみると会話が弾み、さらに昔の仲間にも連絡を取ってみることになります。彼らは中学3年生の時に、男2人、女2人の仲良し4人組だったのです。

 

そこから文章は、中学時代に戻ったり、現在の話になったりしながら進んでいきます。

 

中学生だったときは、当たり前のように毎日会えたことが、実は貴重だったと再会してから二人は気づきます。大人は、生計を立てるために働くことを優先しなければならないからです。そして、こんなに気が合う異性が今までいなかったと気づくのです。

 

お互いに好きなんだけれど、女の子の方が人事異動で大阪へ転勤になります。男の子は東京で働いているので、お付き合いを継続するなら遠距離恋愛になってしまうのですが、女の子は自分の性格上、遠距離恋愛はムリだと結論し、お別れを告げて大阪へ。

 

本当にこのまま終わってしまうのか!?、と読者をヤキモキさせるのですが、本は数十ページまだ残っています。ここから期待を高まらせてラストへと流れ込みます。

 

登場人物が、みんな優しくて良い人ばかりなので、読んでいて胸がほんのり暖かくなる良い本です。青春恋愛小説を読みたい人にお勧めです。