うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

ぷくぷく

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森沢明夫小学館

☆☆☆

実験的な小説です。主人公はなんと、金魚です!若い女性が一人暮らしするアパートで金魚鉢で飼われている金魚の目線で物語が進んでいきます。

 

視界が金魚鉢から一歩も動かないので、とても狭い世界で起こることしか書かれてませんが、ちゃんと小説になっています。

 

女性は恋をしています。そして、一人暮らしなので、そのことで誰にはばかることなく一喜一憂します。それを金魚がちゃんと見ているんです。まさか、金魚に見られているなんて人は思いませんからね。

 

誰でも人に言えない秘密の一つや二つあると思うのだけど、女性にも秘密があって彼氏と親密になるほどにそのことを打ち明けるタイミングで悩みます。それも金魚目線で語られます。

 

金魚に監視される女性の物語なんて思われるとこの小説の価値を間違って評価されてしまうので、もう少しネタバレします。金魚は一匹で金魚鉢にいるのですが、そのことで孤独を感じています。また、女性が外出すると帰ってくるまでの間、狭い金魚鉢で変化のない退屈な時間を過ごさなければならず、自由のないことを嘆いたりもしてます。このあたり、同じような悩みを持たれている人もいると思うので金魚に共感できるかもしれません。

 

女性と金魚に幸せは訪れるのでしょうか?気になる方は読んでみてください。