うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

虹にすわる

瀧羽麻子幻冬舎

☆☆☆

徳井という20代後半の男性が主人公です。

 

徳井は大学を卒業して東京の建設会社で働いていたのですが、幼いころに両親を交通事故で亡くした徳井を引き取って育ててくれた祖母が亡くなったことで、独りになってしまった祖父が心配になって田舎に帰ります。そして今は、祖父の仕事である何でも屋を手伝っています。

 

そこへ大学時代の後輩である魚住が、修行していた家具工房をそこの親方と喧嘩して辞めてしまい、行き場に困って徳井の家へ転がり込んでくるのです。

 

ここから物語の本筋が始まりです。何でも屋をやりつつ、魚住の夢である家具職人、その中でも椅子を二人で協力しながら作り始めるのです。

 

そのうちに二人の作品が有名な椅子のデザイナーに認められ、徳井だけがスカウトされることになります。これ以上ない好条件でヘッドハンティングされた徳井の出す答えはいかに、というお話になっています。

 

徳井と魚住の他に、徳井に気がある幼馴染の女性と魚住の彼女が登場するので、若い男女4名をキャストして、テレビドラマ化するのにちょうど良い原作だと思います。

 

普通、無名の家具職人が椅子を作ってもスグに買い手がつくなんてことはありませんが、そこは小説なので、とんとん拍子に話が進みますから退屈しませんし、予定調和のストーリーなので最後はもちろんハッピーエンドです。テレビドラマの原作を探している方にお勧めです。