家の近所に知的障がい者の作業場があります。平屋で道路に面した大きな窓から作業の様子が見えるので、前を通るとき歩きながら中を覗いています。
詳しくは分からないのですが、クッキーのような洋菓子を作っているみたいです。いつも30人くらいが作業しています。就業機会を作るためだと思うのですが、あえて機械化はまったくされておらず、すべて手作業で作っています。
前を通るたびに、
「私も仲間にいれてほしい」
と思います。
42歳でうつ病が原因で無職になって、回復してから就活しましたが、その結果3百通の不採用通知を受け取って、社会から拒絶されました。それでも孤独がつらくて、社会とつながりたいのです。
この作業場は、9時ころ人が集まってきて、16時ころ帰っていくのも魅力です。これなら生活にリズムがついて、一緒に働く仲間とも良好な関係が築けるのではないかと思います。私のサラリーマン時代のようにひと月百時間残業すると、疲労が半端ないですし、職場の人間関係も悪くなります。働きたいけれど、奴隷にはなりたくないのです。
しかし、資本主義が、労働者を安く使って、いかにしてたくさん搾取するかという仕組みなので、見た目には健康そうに見える54歳のうつ病患者が楽しく働ける職場なんてないんだろうな、ということには気づいています。
それでも、気の合う仲間と共同作業し、心地よい疲労で一日を終え、充実した気分で床につき、ぐっすり眠れたら、と夢を見てしまいます。