山本甲士、中央公論新社
☆☆☆
SF推理小説です。時代は現代です。
主人公のもとに手紙が届きます。内容は、
「タイムスリップできます。過去に戻ってやり直せます。」
という内容です。料金は50万円。
さて、みなさんならどうしますか?現実問題ならば、こんな胡散臭い手紙はごみ箱に捨てて終わりでしょう。
しかし、ここで断ってしまったら物語が進まなくなってしまうので主人公はタイムスリップします。
主人公がタイムスリップして何をするかは秘密ですが、企みは成功し、後悔していた過去を改変することができました。
みなさんが想像するとおり、主人公はタイムスリップにのめり込みます。そして、もう一度過去へ戻ることを希望するのです。ですが、2回目の料金は100万円。
さて、みなさんならどうしますか?実績があるので主人公はためらいなく100万円払って過去へ行きます。そして、またも企みは成功です。
主人公はタイムスリップの虜です。3回目を希望します。3回目の料金は500万円!さて、主人公はお金を払うのか?
人生は決断の連続です。毎日たくさんの分岐点で選択を迫られるわけです。毎日の変化は少しなので気になりませんが、10年、20年先には大きな変化となります。
私には高校時代に仲の良い友人が2人いました。今では年賀状でやり取りするだけの関係になっていますが、私はうつ病で無職、友人の一人は大学教授、もう一人は大きな会社で部長をやっています。かつては同じ教室で勉強していた仲間が30年の間、小さな選択を続けた結果がこれです。
あなたは過去へ戻れるとしたらどうしますか?そして、ラストでどうやってタイムスリップしたのかの秘密が明かされます。そちらも期待してください。