うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

はい、総務部クリニック課です。

藤山素心、光文社文庫
☆☆☆
現役の医師が書いたお仕事小説です。

 

主人公は入社7年目の独身アラサー女性社員の松久奏己(かなみ)です。

 

奏己は極度のあがり症で、人から話しかけられると緊張のあまりトイレに行きたくなってしまう性質があります。

 

そのため、入社から7年間、総務課で地味な事務をマジメにこなすことだけに集中し、それ以外の余計なことにはなるべく関わらないように過ごしてなんとかかんとか勤めてきました。

 

それが、社長交代とともに新設されたクリニック課へ異動になってしまいます。

 

「なんで私が?」

 

という疑問ばかりが頭を埋め尽くしますが、人事を断ることもできず着任すると、そこには寡黙で知的な感じのイケメン医師と陽気なホストにしか見えないイケメン薬剤師の二人がいたのでした。

 

クリニック課は、体調不良の社員たちの健康相談から治療までを受け持つのですが、そもそも、出社している時点で重病の人はいないので、医師が書いた小説にありがちな重たいお話、例えば余命宣告を受けた患者と医師の交流みたいなのはありません。

 

奏己の頻尿、緊張すると腹痛になる営業マン、ぎっくり腰など、重篤ではない症状にまつわるお話が展開されます。なので、悲しい気持ちになったり、感動で涙を流すとかを希望される方には勧めません。

 

それよりもタイプの違うイケメンから大事に大事にされる奏己を自分に置き換えて夢の世界に浸りたいアラサー独身女子にお勧めの本です。なので、本作では奏己が女子の夢であるイケメンにお姫様抱っこされるシーンがあります。

 

イケメン二人が絡むシーンもたくさんあり、腐女子の匂いがプンプンする本作ですが、文章は読みやすく、奏己のキャラクターは陰キャでコミュ障な女性からは絶大な支持を受けるだろう設定なので、

 

「私のモテ期はいつ来るの?」

 

とお嘆きの女子に強く推薦する本です。