うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

メメンとモリ

ヨシタケシンスケ、KADOKAWA

☆☆☆

メメント・モリ」とはラテン語で「死を忘れるな」という意味です。

 

そのため、可愛らしい女の子と男の子が描かれた絵本なのですが、中身は大人向けです。

 

姉弟と思われる小さな子供の会話で成り立っています。だから、たわいもない文章が書かれているのですが、実は深くて哲学的なことが書かれているという珍しい本です。

 

《物にも命にも終わりがある》

 

という現実とどう向き合うかを弟のモリが姉のメメンに質問して、メメンが回答する形で物語が進んでいくのですが、絵がとてもかわいいので考えながら読まないと作者の意図が分かりません。じっくり考えながら読みましょう。

 

私は仏教の《無常》という言葉をこの本を読んで思い出しました。

 

「この世のあらゆる物事は移り変わっていき、確かな物など一つもない」

 

という教えですが、それならば私たちはどういった心構えで生きて行けば良いのでしょう?そのことについてヨシタケさんが考えたことをメメンに語らせていると思いました。

 

こんなことを書くと暗くなるようなことばかり書かれていると思われるかもしれませんが、そうでもありません。

 

悲しいこと、イヤなこともいつかは終わりがくるからです。究極、死んでしまえばこの世のあらゆることとオサラバです。そして、人間の致死率は百パーセントです。

 

私が思うに、リアルが充実している方は今を楽しむことに夢中ですからこの絵本を手にするヒマはないはずです。そうではないあなたに価値ある絵本です。

 

うさんくさい自己啓発本とは一線を画す良書です。