沖田円、スターツ出版文庫
☆☆☆
中高生向けに書かれた小説ですが、ライトノベルじゃありません。ちゃんとストーリーがある小説です。
主人公の千世が高校二年生になってすぐのころ、学校で進路調査が行われました。千世は将来の目標が決まっておらず、困っていました。
そんな日の帰り道、ゲリラ豪雨におそわれ、雨宿りするために駆け込んだ神社でとても美しい青年に出会います。その青年は自身をこの神社の神様だと言うのです。
この出会いで千世は神様から祟られてしまいます。そして、祟りが発動するのを避けたいならば、私の手伝いをするようにと命じられてしまうのです。祟りがこわい千世は神様の手伝いをするために放課後、神社に通うようになるのですが、そこで千世は神社に訪れる人たちの願いを聞くことになります。さて、千世はどうする?
千世のキャラクター設定としては、何をやらせても平均点という特徴のない女子高生となっています。そのため、「こんな平凡な自分に将来、何ができるんだろう?」と悩んでいるのです。
だけど、神様の手伝いをしていく中で千世の周りの人たちが千世の美点に気づいて、「あなたの良いところは~」と教えてくれるようになります。そのきっかけを神様が与えてくれていたのですが。
そして、ラストでは千世が神様の予想を超える成長を見せて、神様の願い事まで叶えてしまう痛快なストーリーとなっています。
女子高生が活躍するハートフル小説です。