うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

夢の中で初恋の人に会えて幸せ

私は高校一年生から高校二年生まで卓球部に所属しました。

 

運動部というのは優劣がはっきりと分かるので残酷な一面があります。上手な子にはお日様の光が降り注ぐのですが、下手な子は日陰者になり、馬鹿にされたり、ひどい場合はいじめの対象になります。

 

当然、レギュラーになれない子はガールフレンドなんてできません。私はレギュラーと補欠の当落線上にいて、2年生までの私の高校生活はパッとしないものでした。

 

私は3年生になるときに顧問から、

 

「お前を今後、正規の試合でレギュラーとして使わない。だから、部を辞めて受験勉強に専念しろ。」

 

と肩を叩かれました。

 

中学から合わせると5年間を卓球に捧げたおかげで、自分に才能がないことが身に染みて分かってましたから、「はい」とだけ返事をして辞めました。

 

ここから話を省略しますが、縁があって私はゴールデンウィーク明けに写真部に入部します。

 

私の高校は、上から見るとHの形になっていて、北校舎と南校舎を渡り廊下でつないだ構造です。

 

南校舎は普通教室が集まっていて、北校舎には特別教室(理科室、図書室など)が集められています。

 

文化部は、この北校舎を根城に活動していて、私の高校では文化部は部の垣根を越えてみんな仲良しでした。

 

そんな環境下で、私は地学部のE子さんと出会います。E子さんとは学年が一緒だったのですが、一度も同じクラスになったことがなくて面識がありませんでした。しかしE子さんは、私のような非モテ男子にも気さくに声をかけてくれる女子だったので、私は彼女に夢中になってしまいました。現代ではこのような現象を《女神化》と呼ぶそうです。

 

そんなE子さんは文化部の非モテ男子たちに絶大な人気があり、彼女のファンはたくさんいました。性格が良かったのに合わせ、容姿も優れていました。これは、卒業後のことですが、大学生になった彼女はマクドナルドでアルバイトするのですが、そこで《ミス・スマイル》という美人コンテストが行われて、お店代表に選ばれました。

 

E子さんとは放課後に学校で雑談する以外は特別なことは何もなかったけれど、まさに滑り込みで私に青春を体験させてくれた女子でした。

 

E子さんはその後、私ではない男性と結婚し、二人の子供を授かり、30代前半で病気で亡くなりました。当時のファン仲間だった友人から亡くなったことを伝え聞いたときとてもショックを受けました。

 

E子さんが亡くなってから20年くらいたち、思い出すこともなくなっていたのに、昨夜、E子さんが私の夢に現れたのです。

 

不思議な夢でした。私は絵が下手ですし、普段から絵なんて描いていません。なのに私は夢の中でアトリエにいて、絵本の制作をしています。絵を描いている私の背後にはE子さんが立っていて、私の絵を褒めてくれるのです。

 

とても幸せな夢でした。目が覚めたときもすぐに夢と思えず、部屋の中を探してしまったほどです。このブログは目が覚めてから11時間経過している時点で書いているのですが、今でも胸が暖かくなるような幸福感があります。

 

攻殻機動隊というSFアニメで、逮捕された男性が自分には美しく優しい妻と素直で可愛い子供がいて裕福な生活をしていると話すのですが、裏付け捜査すると彼は独身で無一文のホームレスであることが分かります。男は犯罪組織に捕まり、記憶を消されたうえで偽の記憶を移植されて犯罪に利用されていたのですが、この未来のお話のように実際に体験しなくても脳が幸せを感じていれば、人は幸せでいられるんですよね。

 

仮想現実が進歩して、肉体をともなった経験をしなくても、意識だけでさまざまな体験ができるようになれば、私が夢の中で初恋の人に会ったような体験を偶然に頼ることなく体験できる日がくるかもしれません。そんなSFみたいな技術が確立したら、人間はどんな生活をするのでしょうか。思考実験としては面白いテーマだと思います。