うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

一年四組の窓から

あさのあつこ光文社文庫

☆☆☆

あさのあつこサンの書いた本はどれも素晴らしいです。私がこれまで読んだ本では、ハズレがありません。

 

主人公は井嶋杏里(いじまあんり)です。

 

杏里はがんばって受験勉強して入った私立中学校で息苦しさを感じていました。クラスメイトとトラブルを起こさないように神経を張り詰めていたら自分らしくいられなくなってしまったのです。

 

そんなときに家庭の事情から転校することになり、新しい公立中学校で心機一転をはかることになります。

 

中学一年生の夏休み明けから新しい学校で勉強し始める杏里ですが、誰も知り合いがいない状態からのスタートです。そして、前の学校のときのように気を使いすぎて自分でなくなってしまうことがないようにしたせいで今度は友だちができません。

 

転校でなじめない杏里は、使われていない教室(かつて一年四組だった)に行って一人で校庭を見ていました。そこへ市居一真(いちいかずま)があとから入って来て運命の出会いをします。ここから物語の始まりです。

 

この本は中高生に向けて書かれた本だと思うのですが、初老の私でも楽しく読むことができました。何歳の人が読んでも心を中学生だったころへ連れて行ってくれる本です。

 

異性を遠くから眺めているだけで恋に落ちて涙が出ちゃうとか、出会ってすぐに一目ぼれで告白するとか、そんなことできるのは10代のころだけですから。読んでいて自分が失ったものの大きさに気づかされました。

 

誰か、この本を読んで感想をコメントに書いてください。とくに、綺麗な心がなくなってしまう30歳すぎた方の感想を聞きたいです。お待ちしております。