私は毎朝午前3時に起きています。すると、午前10時にはおなかが減ってしまうので、近所のスーパーへ開店ちょっと前に行って一日の食材を調達して、帰宅後すぐに昼食にします。
なので、開店5分前にはスーパーの入り口前にいるのですが、そこにはいつも決まったメンバーがいるのです。私は人混みが嫌いなので、少し離れた所から列を眺めています。メンバーはお爺さんばかりなのですが、お店の扉が開くと店内に速足で入店するのです。あるとき、
「あのお爺さんたちは、なんで先を争うように入店するんだろう?」
と疑問に思いました。
それで、それとなくお爺さんたちの買い物かごを盗み見ると、半額シールが貼ってある肉と魚が入ってました。お爺さんたちは、少しでも安く買い物するために前の日に売れ残った生鮮食品を手に入れるために入店順位を競っていたのです。
私も食費は一日千円未満になるように厳しく管理しているので気持ちは分かるのですが、毎朝、列の先頭に並んで、開店と同時に突撃するような勢いで生鮮食品売り場を目指す姿に胸がせつなくなります。
働けなくなる年齢になってからの貧乏は挽回のチャンスがないので悲惨です。55歳の私はその光景を見て、余計なお金は1円だって使わないことをあらためて誓うのでした。