《家ついて行ってイイですか》というテレビ番組を見ていたら、記憶に残るお爺さんが出てました。
お爺さんは75歳で今も警備員の仕事をしていて、仕事帰りにガールズバーで遊んで帰宅する所を番組スタッフにつかまりました。「家について行ってイイか?」の質問に即答で快諾します。
家は東京23区内にあり、家賃6万円のアパートです。そして驚きなのが、お金が払えないことにより電気が止められていて明かりもつかない真っ暗な汚部屋で収録が始まったのです。
お爺さんのこれまでの人生は波乱万丈で、中学卒業と同時に建設関係の仕事に就いて60歳まで働いたそうです。3回結婚し、一人目の奥さんとの間には子供ができましたが離婚してからは一度も会っていない、三人目の奥さんとは3年前に死別したそうです。
三人目の奥さんとは色んな所へ旅行に行ったようで、お爺さんはアルバムをめくりながら思い出を語ってました。中には豪華客船での旅行風景もあり、テレビ出演している芸能人たちは仲が良かった夫婦を褒めたたえていましたが、私にはこの頃に身の丈に合わない出費をして貧乏になったように思えてなりませんでした。
三人目の奥さんは家事をきちんとしてくれて、料理も上手だったそうなので、後妻業の女ではなさそうでしたが、旅行と外食が好きだったそうで、お爺さんは奥さんを喜ばせるために無理しちゃったのかな、と私は思いました。
テレビスタッフが、
「ガールズバーに行かないで電気料金を払う気はないんですか?」
と質問すると、
「ガスがつけば何も困らない。それよりも、人と楽しい会話をしない生活の方が耐えられない。ガールズバーの女の子たちとお話するのが今の俺の唯一の楽しみだから、これは止められない。」
と迷いなく答えてました。
3回結婚したり、電気代を払うのをやめてガールズバーへ行ったり、お爺さんを見ていて、単なる女好きというよりは寂しがり屋なんだなと感じました。
お爺さんは人口の過密が問題になっている東京23区内に住んでいて、そこら中に人がいるのに寂しいという気持ちを解消するためにはお金を払わないとならない。なんとも皮肉な話に思います。でも、これが現実なんでしょうね。