バイオリン教室に通っていたころに知り合った70代の女性が自宅で月2回サロンを催していて、そこで資産運用について講師をしてみないかと誘われました。
無職になって世の中から必要とされていないことが辛かったので、声をかけてくれたことは大変うれしかったのですが熟慮の上で断りました。
というのも、そのサロンに集まる女性たちはみなさんお金持ちなのです。私に声をかけてくれた女性は以前、
「私は両親から相続した株の配当金が年に百万円くらいある。主人から、そのお金はお前のものだから好きに使ってイイよと言われているのですべて自分のお小遣いにしている。」
と聞かされていたからです。
けっして妬んで断ったわけではなく、70代で十分な資産を築いた人はあえてリスクを取って資産運用する必要がないと考えたからです。
はじめ、お話を聞いたとき、少ないお金で投資をして経済の勉強でもしたいのかな、と思っていたので、投資クラブみたいなものができたら私も楽しいなと思えたのですが、女性は一儲けする気満々なので、余計なことを教えて危ないことをするようになったら大変だと心配になったことも理由です。
70代まで無事に渡世ができて、終の棲家があって、お孫さんがいて、おそらく1億円を超える資産がある方は、増やすことよりも資産を有意義に使って今を楽しむことに集中した方が良いと思うのです。
なんでお金を貯めるのかというと、お金で物やサービスが買えるからです。お金だけ持っていても上手に使わないと無意味です。あと、年齢によってお金に対しての向き合い方も変わると今回のことで考えるきっかけになりました。