私は、週一でB型事業所で働いています。時給は200円です。
仕事は使い捨てのボールペンを組み立てたり、ネジを決まった数だけ小袋に入れてホチキスでとめるなどの軽作業をしています。
百円ショップへ行くと、
「これって、どうやってこの価格を実現しているんだろう?」
と不思議に思ってましたが、B型事業所では百円ショップで売っているものもよく扱います。B型事業所で働き始めて百円ショップのからくりが分かりました。
ある日の仕事はアニメのキャラクターが描かれた缶バッジを中身が見えない小袋に入れる作業でした。6人のキャラクターがいて、消費者は中身が分からない状態で購入し、6種類そろえるまで買い続けるという仕組みのようです。
熱狂的なファンがいて、この作業をしている場所を特定されると事業所に泥棒がやってくるそうなので、作業の詳細は家族にも秘密にしてくれと職員から言われました。
ただ、6人とも見たことがないキャラクターだったし、缶バッジもショボく感じられたので職員の方に、
「これって百均で売るんですか?」
と質問したら、
「これはマニアが集まる専門店で売るんだよ。1コ600円だよ。」
と教えてくれました。
《ショボい缶バッジが600円!》
と言葉には出さなかったのですが、無意識に口があんぐりと開いてしまいました。
まず、見て楽しむ以外に存在価値がない缶バッジに600円払う人がいる日本って平和で豊かな国だなと思いました。
そして、時給200円で缶バッジの制作工程に係る私って何なんでしょう?というモヤモヤした気持ち!
B型事業所から見えてくる経済の仕組みもたいへん興味深いものがあります。