私が高校生だった80年代中頃の話しです。友だちが以下のようなことを言いました。
「コンピュータは進歩して手のひらに乗るサイズになり、この世のあらゆる知識を記録できるようになるだろう。そのとき、今のように知識を詰め込む教育は無意味になり、受験戦争はなくなる。」
予言の前半部分はスマートフォンの登場で実現しましたが、受験戦争はなくなりませんでした。
ただし、インターネットも携帯電話もなかった時代に、高校生がこれだけの未来予測をしていたのはすごいことだと思っています。
YouTubeを見ていたら、イーロン・マスクの作ったニューラリンクという会社が人間の脳とコンピュータを接続して脳の機能を拡張する研究をしていることを知りました。
事故で両手が使えなくなった人の脳に電極を差し込み、手を使わずにコンピュータが操作できるようになった人の映像がYouTubeにアップされてました。
言われなくともみなさんうすうす気づいていると思いますが、学力は遺伝的要素が強く、科学的な調査結果から学力の8割は遺伝で説明可能なことが分かっています。つまり、トンビが鷹を生むなんてことはおこらないのです。
しかし、ニューラリンクの研究が進んで、脳の機能拡張が実現したら頭の良さの大部分をコンピュータとAIで補完できるような気がしませんか?これが実現したら馬鹿になる遺伝子を持って生まれてきた人には大いなる希望となるでしょう。
それにしても日本人なら、
「そんな夢みたいなこと」
と馬鹿にして真剣に取り合わないようなことに莫大なお金をつぎ込んで大真面目に研究するイーロン・マスクという男からは目が離せません。それと、そんな人間がのびのびと活躍できるアメリカという国の懐の深さを感じます。日本では、イーロン・マスクのような男は寄ってたかって叩かれて潰されてしまうでしょう。これが、日本からイノベーションが生まれない理由です。