私は週一で就労継続支援B型事業所で働いています。時給は200円です。
私の通うB型事業所では椅子に座って軽作業をします。利用者同士のトラブルを避けるため席順は毎日2回変わります。朝に出勤すると午前の席順が発表になり、お昼休憩に午後の席順が発表になります。
その日は、午前の作業で60代の男性と一緒のテーブルになりました。その男性はパッと見には障がい者には見えませんし、話していて知的障害もないように思いましたが、生活保護を受けているそうです。
B型事業所はワケありの人しかいません。なので、自己申告以外の身の上話はしてはならない暗黙のルールがあります。だから、なんで男性が生活保護を受けるに至ったかに興味がありましたが、それについて自己申告しなかったので分かりません。
男性はグループホームに住んでいます。グループホームとは社会的弱者のために行政が用意した住居で社会的弱者が数人で集まって普通の一軒家で共同生活をするものです。
男性はグループホームでの暮らしを教えてくれました。
朝食と昼食は自分で作るらしいのですが、夕食は栄養士の資格を持つ女性が来てくれて用意してくれるそうです。予算が決まっているので贅沢な食事はできないのですが、栄養バランスのとれた食事を自分で作らずに食べられるのは助かると言ってました。
また、月に一回、栄養士さんがリクエストにこたえてくれる日が設定されているそうで、自分がリクエストできる順番が回ってくるのが楽しみだと言ってました。
その男性はB型事業所で午前だけ働いて帰宅するのですが、午後は何しているのか質問したら、「昼寝」と答えてました。しかし、週2回、火曜日と金曜日は傾聴ボランティアの女性と雑談していると言ってました。
傾聴ボランティアの人が来る日は、グループホームで暮らす仲間が食堂に集まりお茶とお菓子を食べながら約2時間おしゃべりするそうです。
お誕生会なるものがあって、居住者が誕生日を迎える月には、グループホームの運営者がケーキを買って来てくれて食堂で簡単な誕生会を開催するそうです。今月は俺が誕生日で、チョコレートケーキをリクエストしてあって、楽しみだと言ってました。その他に、春にお花見、冬にクリスマスのイベントもあるそうです。
私は現在、約7千万円のお金を運用してますが、生活保護を受けている男性に生活の質において完敗していると思いました。
貯金が底をついたら破滅だと思っているので、食生活は質素そのものです。男性のように人の温もりを感じる手料理で、しかも栄養バランスにまで配慮したものは食べていません。
私が一番羨ましいと思ったのが傾聴ボランティアの訪問です。孤独が辛くて時給200円で働くくらいなので、無料でお話を聞いてくれる人と過ごせるなんて夢みたいなことです。
グループホームで生活する人たちの親睦を図るための各種イベントも楽しそうです。86歳の父と二人暮らしの我が家では一年を通して何のイベントもありません。ナッシング!です。