小路幸也、ポプラ文庫
☆☆☆
本の題名になっている《ピースメーカー》は文字通り《平和をもたらす者》という意味です。
この本は、小学生高学年から中学生くらいまでに読んでもらいたい青春エンタメです。
舞台となる赤星中学校は部活動が盛んです。そのため、ことなる部と部の間でトラブルになることがあります。
そんなときに頼りにされるのが放送部です。放送部はお昼休みの食事時に様々な部活の活動内容を校内放送で流すのですが、そのための素材作りとしてあちこちに取材へ出かけるので校内で一番顔が広いのです。だから、紛争が起こると直接だったり、間接だったり、調停の依頼が舞い込みます。
放送部には頭が切れる男の子とコミュ力の高い男の子がいます。このコンビが互いの能力を最大限に使っていくつもの問題を解決していくさまが読んでいて痛快です。
あと私のような年寄りにもお勧めなのが、舞台が1974年に設定されていることです。放送部なので活動には音響機材が必要なのですが、それがレコードだったり、オープンリールのテープレコーダーだったりして懐かしさを感じられるのです。
1974年に中学一年生という設定ですから、存命なら現在は60代中頃でしょう。そうなんです!今はお爺さん、お婆さんな人たちにも青春時代があったんです。今、中学生の人たちには信じられませんよね。