私のブログを読んでくださった方から、
「どうしてそんなに多額のお金を投資できるんですか?」
とコメント欄で質問されました。
40代中ごろに就活をして3百社から不採用通知を受け取って、
「私は日本から必要とされていない」
と思い知らされてから、初めて他人から興味を持ってもらえたことで、とても嬉しかった。その方には、
「インフレがこわいから」
とだけ答えておいたのだけど、伝えたりないので自身のブログでこの点について自分の考えを書いておきます。
日本は91年にバブル景気が終わってから30年もデフレが続いたので、インフレの恐ろしさを分かっていない人がまだまだたくさんいて、元本保証の金融商品だけに頼って資産形成している人が大勢います。
しかし、今の日本はお米の価格高騰を例に出すまでもなく、まぎれもなくインフレです。
蓄財するときに合理的な行動としては、インフレを上回るようなリターンが期待できるような金融商品に投資しなければなりません。そうしなければ、購買力が少なくなってしまうからです。
インフレに耐久性のある資産としては、株式、ゴールド、不動産などが挙げられますが、始めやすいのは株式でしょう。
私もかつてゴールドを持っていましたが、保管する場所を確保するのに気を遣うので今は持っていません。また、金融商品でゴールドと連動する投資信託もありますが、信託報酬が高いので今は見送っています。
不動産は実物を持つとなると大家さんとしての労働をしなければなりませんし、不動産会社に委託すると中抜きされて碌なことにならないので積極的に止めています。また、リートという方法もありますが、やってみれば分かりますが、株式とおおむね相関があり、株式のリスクヘッジにならないので止めました。*ボラティリティも同じくらい。
沢山の投資本を読んだ結果、私は資産1億円くらいまでは預金と株式でポートフォリオを組めば良いという結論に達しました。
「じゃ、なんの株を買えば良いか?」
となるんですが、私は現在、資産の約70%を全世界株式(MSCI ACWIという株式指数に連動する投資信託)に投資してます。
つい最近まで、全米株式と全世界株式を同じくらいの金額持っていたのですが、トランプがあんまり馬鹿なので全米株式をそのまま全世界株式へ移しました。
MSCI ACWIの良いところは、投資先を予想するのを止められることにあります。
全世界にある株式会社のうちから優良な会社2,687社(2025年6月現在)を選び、時価総額の大きさで順位を付けて、大きな会社にたくさん投資して、小さな会社に少なく投資する、ということをやってくれます。
しかも、この見直し(会社の選定と投資比率)を三か月おきにやってくれるので、投資先はいつでもピカピカです。こんなこと、個人でやることは不可能です。私はこの仕組みを知ったとき、投資信託の最終兵器だと思いました。しかも、信託報酬が安いので利用しない手はありません。
それと、普段、私が月初に出している運用報告では値動きのある金融商品のことにしか触れていませんが、私は銀行に1,200万円の普通預金があります。
私はひと月だいたい10万円くらいで暮らしているので、リーマンショック級の暴落があっても単純計算で10年、病気で入院などの必要があっても3年くらいは預金だけで暮らせるんじゃないかと思っています。ちなみにリーマンショックから株価が回復するのに要した時間は約4年です。
あと、最後に暴落の際の気の持ちようですが、世界の株式会社から選ばれた上位2千7百社の株価がリーマンショックのときのように半値になったときの世の中は悲惨なはずで、
「なんで私だけこんな目に合うんだ」
という孤独な気持ちにはならないはずです。きっと、世の中真っ暗です。そして、そんな暴落を経験しても人間の欲望は尽きなかったという事実。資本主義の原動力は人間の欲望です。世界中の人がみな、仏陀のように悟りを開かない限り、資本主義は成長を続けます。