
南綾子、双葉文庫
☆☆☆
33歳、独身女性の響が主人公のお話。
響は偏差値の高い大学を卒業しているようです。大学時代の仲良しグループでは、
・高収入の男性と結婚して子供を育てている
・大企業で順調に出世している
・転勤で先進国の首都で働いている
なんて人生すごろくで順調に駒を進めている友達しかいません。
それに引き換え、響は仲間たちのように上昇志向がありません。安定した雇用、安定した収入、それさえ叶えば出世しなくて良いし、結婚したくない。金曜日の仕事帰りに立ち飲みの居酒屋で美味しいおつまみと美味しいお酒が飲めれば幸せ。
けれど、仲間たちのような分かりやすい成功モデルと比較して「これでいいのか?」と思ってしまう日もあります。
そんな日々で気になる先輩が社内にいます。50代のおばさんで、【庶務のおばちゃん】と呼ばれている桜子です。
桜子は管理職ではなく、特別な資格が必要ない事務と雑用をやっているのですが、仕事内容は迅速で正確です。勤務時間内は集中しているので不愛想に見える日もありますが、お昼休みには美味しそうにご飯を食べる姿が気になります。
「50になって出世もせず、おひとり様で幸せなんですか?」
そんな考えが響の頭をよぎります。さて、ふたりの関係はどうなるでしょうか、というお話です。
お話の中に名言がいくつか出てきます。そのなかで、独身を選んで歳を取ったとき無いと人生がつまらなくなってしまうものとして3つ桜子が挙げています。それは、
①健康 ②お金 ③友達
です。私もこのブログで何度もこのことに触れているので作者の南さんと意見が一致したことにうれしくなりました。
次に桜子が響に伝授したことが投資の重要性です。
「不動産投資は難しいからダメ。金を買いなさい、そして、ずっと持ち続けなさい。」
とアドバイスしています。
それと、生涯独身を選んだなら仕事は続けなさいと言っています。自由でいたいなら経済的な土台があることがまず第一、そのためにはつまらない仕事でも安定した収入が得られるなら続けろとアドバイスしています。
世間的な成功モデルから外れても桜子のように幸せな人生を送れますが、それもお金があってこそなのです。30代でずっと自由な独り暮らしを続けたいと思っている女性にお勧めの本です。