あすにはなろう

思ったことをとりとめもなく書いてます。何のまとまりもありませんが、読んでいただけたらうれしいです。

喫茶おじさん

原田ひ香、小学館文庫

☆☆☆

主人公は松尾純一郎、57歳、バツイチ、無職です。

 

純一郎は大手ゼネコンで働いていましたが、早期希望退職で退職金の割り増しを手にして退職します。急に大金を手にしたことで浮かれてしまい、喫茶店を開業したところ流行らずに半年で店を潰してしまいます。

 

退職金を使い切ったところで喫茶店から撤退したので傷は浅くて済んだのですが、余裕のある老後ではなくなってしまいます。喫茶店の開業に反対していた妻との間にできた溝は修復不可能になりました。

 

こんな状態からお話が始まります。

 

自分の喫茶店を潰したあと、無趣味な純一郎は喫茶店巡りを始めます。その様子が1話30分ほどで読める短編小説としておさめられています。

 

どのお話もはじまりで純一郎にとってストレスを感じさせる事件があって、気晴らしにマスコミやネットで話題になっている有名喫茶店へ出かけるという流れになっています。【孤独のグルメ】ではおじさんが定食屋へ出かけますが、それを喫茶店に変更したと思えば間違いありません。

 

読んでみた感想ですが純一郎はぼんやりした男で、こんな空気が読めない男がゼネコンの営業マンとして50代まで働けたのか?、と不思議に思います。この点についてお話の中で周りの人間たちから純一郎が指摘されています。

 

色々詰んでる純一郎の落ち着く先はいかにというお話です。

 

今の日本では、黒字の大企業でも50代のリストラを盛んに行っています。リストラされたおじさんはどこへ行って何をしているのだろう、と私は思っていたのですが、純一郎みたいな人もいるかもしれません。