ふたりのかつみ

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新井素子、角川文庫
☆☆☆
SFライトノベルです。

 

女であることに違和感を感じている中学一年生の勝美が、自分の部屋の押し入れにパラレルワールドへつながるトンネルがあることを発見してお話が始まります。

 

トンネルをくぐると、パラレルワールドには容姿がそっくりで、男であることに違和感を感じている中学一年生の勝美がいました。

 

幸い、勝美(女)は胸がまだ膨らんでおらず、勝美(男)はまだ声変りをしていません。ですから、二人が入れ替わってもバレる心配はありません。二人は相談の上、入れ替わってパラレルワールドで自分の望む性で暮らし始めるというのがあらすじです。

 

私の感想です。

 

「アマチュアが趣味で書いたみたいな小説だな」

 

とはじめ思ったのですが、作者後書きに二十三冊目の作品とありましたので、

 

「職業作家が締め切りに追われ、やっつけ仕事で生まれた作品」

 

と考えが改まりました。

 

まず、読者に世界観を伝えるために費やしたページ数が無駄に多いのです。二人の勝美がお互いの世界を説明するかたちで世界観を読者に分からせようとしているのですが、それだけで物語の半分ちかくを使っています。長い!

 

次に、場面展開が少ないため退屈です。物語を通じて、同じ場所で長々と無駄話が続きます。性別の違う二人の勝美が相手の世界で別々に行動するため、二つ話を考えなければならなくなり、作者が面倒くさくなって、手を抜いたのかもしれません。

 

お金を出して買ったので最後まで読みましたが、残念な気持ちになりました。