2019-01-01から1年間の記事一覧
塩野七生、新潮文庫☆☆☆十字軍は1097年から始まり、1291年に中近東にあったキリスト教徒の都市がすべてイスラム教徒軍によってなくなるまで続くのですが、この巻ではその最後の百年間をあつかっています。 成長してゆく人や組織の物語も読んでいて楽…
西條奈加、角川書店☆☆☆徳川吉宗のころより数十年あとの江戸の巣鴨が舞台です。 大きな商家の主人である徳兵衛がお店の経営を息子に譲り、隠居します。 江戸時代の巣鴨はまだ畑が広がる田舎で、メインストリートの中山道を離れると農家が点在する場所でした。…
加納朋子、集英社☆☆☆異色の部活小説です。親目線で公立中学校の吹奏楽部の活動を描いた小説です。 世の中というものは、とかく華やかな物にばかり目がいきがちですが、そんな華やかな物事には、裏側で数えきれない裏方の努力があって成立しているのです。そ…
2019年11月21日に私の母が亡くなりました。 母が亡くなったことによって生じる行政手続きをやり終えて、遺品整理に取り掛かりました。 母の部屋は物であふれかえっていて、ゴミ屋敷一歩手前という状態です。そんな中、洋服を捨てるために袋詰めして…
加藤浩子、中経出版☆☆☆音楽家ヴェルディが遺した老人ホームについて書かれた本です。 ヴェルディは経済的に困窮し、みじめな老後を送る音楽家が多いことを知り、自分の財産を使って老人ホームを建てました。 だから、入居資格は音楽家だったことです。入居に…
私は、たばこの煙が嫌いです。どのくらい嫌いかというと、パチンコ屋さんの近くを通るときに息を止めて早足で通り過ぎるくらいに嫌いです。 私は、JTの株を100株持っています。買ったきっかけは、高配当株で株主優待も充実していると雑誌で紹介されてい…
塩野七生、新潮文庫☆☆☆この巻では、第三次十字軍から第五次十字軍までをあつかっています。 そして、第三次十字軍は後世の歴史家から、《花の第三次十字軍》と呼ばれることになるので、紙面も多くとってあり、前半3分の2はリチャード一世とサラディンの戦…
先月の損益の増減は +536,539円/月 でした。 ★先月の最優秀と最下位 最優秀)グローバルAIファンド +7.4%/月 最下位)日産自動車 -1.4%/月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 真剣に資産運用に取り組み始めてから、初め…
住野よる、幻冬舎☆☆☆大学の図書館に就職して間もない若い女性、麦本三歩が主人公です。 三歩は集中力があり、そのため勉強が得意でした。まじめに勉強し、良い大学に入り、本が好きだったので、図書館司書になりました。 しかし、三歩の武器である集中力は、…
三浦しをん、中央公論新社☆☆☆深い青色の綺麗な装丁の本です。 東京大学理学部で植物の研究をされている方々をモデルに作られたお話です。 この本を理解するうえで、 《理学部ってどんなとこ?》 というのが重要になります。30年前に三流大学の理学部を卒業…
私の母は寝たきり老人です。なので、髪が伸びると美容師さんに訪問していただいて、切ってもらいます。 その美容師さんは元気な60代の女性で、いつも髪を切りながらマシンガントークをしていくのですが、私に、 美容師:「えっ、あなた独身なの?じゃ、親…
田口ランディ、幻冬舎文庫☆☆☆『私が自然に興味を持ち出したのは30歳を過ぎてからだった。それまで、アウトドアなどというものにまったく興味がなく、毎晩ネオンの海にダイブして二日酔いの頭に向かい酒』 という田口さん(女性)が屋久島を旅行して、そこ…
上田岳弘、講談社☆☆☆ちょっと掴みどころのない、哲学的な話に思いました。それというのも主人公が社長命令でビットコインの採掘を行っていて、 「価値ってなに?」 みたいなことをボンヤリと考えているからかもしれません。 登場人物は3人です。 中元サトシ…
塩野七生、新潮文庫☆☆☆十字軍物語の2巻目です。 第一次十字軍でリーダーを担ったヨーロッパ人が皆この世を去った1118年からお話が始まります。 塩野さんも不思議がっているのですが、第一次十字軍ではキリスト教側に人材が輩出したのですが1118年を…
先月の損益の増減は +465,472円/月 でした。 ★先月の最優秀と最下位 最優秀 NTTドコモ +7.3%/月最下位 米ドルMMF +0.8%/月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先月は、金融に関するニュースでは、アメリカの政策金利…
ラジオを聞いていたら、人生相談をやってました。悩みの内容は、 「芸能人のファンクラブで、運営方針を巡って対立がおきて、雰囲気が悪くなっています。どうしたらいいですか?」 というものでした。 すると回答者の一人が、 「私、歌手や運動選手を応援す…
原田ひ香、中央公論新社☆☆☆具体的に3千円を何に使うか考えるお話ではありません。 6つの章からなっていて、それぞれ主人公が違います。 その誰もがお金に余裕があるわけではなく、工夫しながら生活しています。その工夫する姿を年齢、性別、性格など様々な…
私の場合、仕事上のストレスからうつ病になって退職したので、 「無職でやっていけるか?」 なんてじっくり考える余裕もなく、とにかく職場と一刻も早く縁を切りたいとの思いから無職になってしまいました。 それでも無職になってから8年も経ったので、 無…
三上延、新潮社☆☆☆関東大震災(1923年)の復興で建てられた鉄筋コンクリートのアパートで暮らし始めた新婚夫婦を時代の変化とともに1997年まで記録した物語です。なので、若夫婦、子、孫、ひ孫と物語の目線が変わっていきます。 とても仲の良い家族…
昨日の夕方、二人の友だちからメールをもらいました。 一人は東京都小平市在住、もう一人はさいたま市在住です。 一人は買い物へ出かけ、もう一人はイベントへ出かけました。 ただし、文面はほぼ同じで、 ①なかなか電車が来なかった。②バス停で長蛇の列に並…
上野歩、講談社☆☆☆主人公の神野キリが理容師になるための学校を卒業し、自分のお店を持つまでを描いています。本のなかでは約4年の歳月が流れます。 キリが小さな子供の頃にお母さんがよそに男をつくって出て行きます。そのお母さんは理容師で、男に出資さ…
桂望実、幻冬舎☆☆☆【願い続ければ、いつか夢はかなう】 なんてことを言う人がいますが、実際は才能、資格、適正などなど、様々な審査を乗り越えてはじめて希望をかなえられるわけです。それらをオーディションに例えてお話を作ったのがこの物語です。 オーデ…
職場のストレスからうつ病になって42歳で仕事を辞めました。それから2年くらいは何もする気が起きず、死ぬことばかり考えていました。 それでも、やりたくないことをせず、嫌な奴に会わずに過ごしていると少しずつ回復していきました。 そうすると、《寂…
先月の損益の増減は +667,929円/月 でした。 ★先月の最優秀と最下位 最優秀 積水ハウス +13.8%/月最下位 米ドルMMF +1.5%/月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 私は日経新聞のような経済専門誌を読まないため、積水ハ…
山崎ナオコーラ、河出書房新社☆☆☆野原小太郎は小さなころから、 【働かざる者食うべからず】 と教育されて大きくなりました。そのため、お金にならないことをする人を理解できません。勉強が得意でなく、経済的に早く自立したかったので高卒で銀行に就職しま…
村田紗耶香、文春文庫☆☆☆短編小説です。その気になれば、一日で読めます。 主人公は、古倉恵子、発達障害、36歳、独身、恋人なし、安いアパートで独り暮らし、同じコンビニでアルバイトを18年間続けている。 そして、もう一人の主要登場人物が白羽という…
池田達也、百万年書房☆☆☆絶対にサラリーマンになりたくない人は必見の本です。 サラリーマンになりたくない作者が冗談でなく本当に死ぬほど悩んで、大学卒業後の進路に自営業を選び、喫茶店のオーナーになって壁にぶつかりながら経営していくノンフィクショ…
私の部屋にはエアコンがありません。ですから、夏の間はずっと、汗をダラダラ流しながら部屋でジッとしています。 なかでも悩ましいのは、就寝するときです。もともと寝つきが悪く、睡眠薬に頼っているような人間なのに、蒸し暑い部屋ではなおさら眠ることが…
塩野七生、新潮文庫☆☆☆エルサレムを陥落させることになる第一次十字軍の概要は知っていたのですが、どんな人たちが参加していたのかは知りませんでした。そこで、この本を読んでみることにしました。 まず、個人でも大きな決断をするときというのは、何か一…
虻川枕、ポプラ社☆☆☆さえない男子中学生を主人公に、【初恋】、【友情】、【パラレルワールド】をミキサーにかけて、かき混ぜたのがこのお話です。 《パドル》っていうのは、水たまりのことです。施錠されて出られなくなっているはずの屋上に出てみると、そ…