くまちゃん

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角田光代、新潮社
☆☆☆
こんな風に物語が進んでいく本ははじめてです。

 

7つの章からなっていて、どの章も一組のカップルを扱っています。章の中ではAの目線でBとの馴れ初め、付き合っている間の話、そして別れが描かれているのですが、次の章に移ると、Bの目線でCとの馴れ初め、付き合っている間の話、そして別れが描かれるのです。

 

東京を舞台に、リレーでバトンを次々に渡していくように、カップルが誕生して、別れて、新たな出会いが生まれて・・・を繰り返していくのですが、共通しているのは章のラストに必ず別れがやってくること。

 

こんな紹介の仕方だと暗い本に思われてしまうかもしれませんが、登場する人物たちは、ポジティブで、夢を追うためにその日暮らしをし、貧乏もヘッチャラ、出会ったばかりの異性とその日のうちにSEXするのもおかまいなしの、エネルギッシュであっけらかんとしたキャラばかりなので、暗いお話しにはなっていません。

 

本から感じ取れるメッセージは、

 

「傷はいつか癒える。」
とか
「別れは新しい出会いのはじまり。」

 

でしょうか。

 

私は歳をとったせいなのか、うつ病のせいなのか、新たな人間関係を始めるのに必要な《やる気》というものがまったくありません。物語の登場人物たちのように失敗を恐れず、悪あがきでもいいから出会いを求めて、外出できるようになりたいと思いながら読みました。