うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

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万城目学、角川文庫
☆☆☆
かのこちゃんは小学一年生の女の子です。
マドレーヌ夫人は犬の言葉が話せるアカトラの猫です。

 

この物語は、元気なかのこちゃんの活躍と気高いマドレーヌ夫人の冒険を描いたファンタジー小説です。

 

小学一年生の女の子の目線で描かれる世界と、猫の目線で描かれる世界がとても上手に描かれていて、本の世界に引き込まれました。

 

物語の中で、マドレーヌ夫人は不思議な力を身につけ、奇跡をおこすのですが、その瞬間には読者にはそれと分からない仕掛けが施してあって、物語のエンディングになってから奇跡の種明かしがなされます。これが見事で、【目から鱗が落ちる】とはこんな感じではないでしょうか。

 

かのこちゃんには短い期間にうれしい出会いと悲しい別れが訪れます。でも、かのこちゃんにはそういった出来事を素直に受け入れて、普段通り生活を続けて行くしなやかな強さがあって、

 

『子供の存在に大人が助けられるのって、こういうコトだよね』

 

としみじみ思いました。

 

子供の心を忘れてしまった大人に読んでほしい、ジーンと感動する素敵な本です。