ヨコハマ買い出し紀行

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芦奈野ひとしアフタヌーンKC
☆☆☆

近未来を題材にした漫画って、どんな漫画を思い浮かべますか?

 

多くの人は、今よりも優れた技術を手にして、繁栄した人類が暮らしている世界を描いた漫画を思い浮かべるのではないでしょうか?でも、例えば百年後に、人類が今より繁栄しているなんて保証はありませんよね?この漫画は、そんな今より人類が衰退した世界を思い描いて作られた作品です。

 

作中で、説明されることは一切ないので、私が絵から受けた印象を伝えるしかないのですが、人口は今より100分の1くらいに減っていて、生活様式は1930年代レベルまで逆戻りしているようです。

 

第62話で、三浦半島に上陸直前の台風の気圧が【905hPa】だったり、第73話で描かれる富士山が今とは違う姿になっていることから、人類の生存を脅かすような天変地異があったことが想像できます。しかし、作中に登場する人々に悲壮感はまったくなく、現在の私たちよりも心豊かに暮らしています。

 

本の内容ですが、20代前半の人間の女性にしか見えない、実はロボットの初瀬野アルファが一人で営業している喫茶店を中心に、そこに通ってくる人々との交流を描いています。現在、私たちが使っているような便利な道具がないぶん、時間がゆっくりと流れていて、読んでいるとこちらの心までゆったりとしてきます。

 

ストーリー漫画ではないので、どこから読み始めても問題ありませんし、続きが気になって眠れなくなっちゃうなんて心配もありません。むしろ、昼間、仕事で熱くなった頭をクールダウンさせるために、寝る前に数話ずつ読むことをお勧めします。

 

私は、絵が綺麗なので、

 

「これは大人の絵本だ。」

 

と思いながら読んでいました。