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明日、アリゼの浜辺で

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秦建日子、新潮社
☆☆☆
アリゼとは、ニューカレドニアで一年中、西から東へと適度な強さで吹く貿易風のことです。というわけで、ニューカレドニアが物語の中で登場するのですが、主な舞台は日本です。ニューカレドニアは、

 

『いつか、行ってみたいなぁ』

 

と登場人物たちが憧れる場所として登場します。

 

物語は5つの章からなっていて、5人の主人公が登場します。彼らは年齢も性別も様々です。5人に共通しているのは、日本で日常に行き詰っていて、現状を打破したいと考えているところです。

 

そして、安定しているけれども惨めな今の生活を捨てて、リスクはあっても夢のある生活へ一歩踏み出すのです。その最初の一歩にニューカレドニアが直接あるいは間接の形で関係してくることになります。

 

私は、この物語の主人公たちのように失敗してもやり直せる社会ならイイなぁ、と思いながら読みました。

 

田中角栄さんが、

 

【失敗はイヤというほどしたほうがいい。そうするとバカでないかぎり、骨身に沁みる。判断力、分別ができてくる。これが成長の正体だ。】

 

と周りの人たちに言っていたそうですが、これが適用できるのは20代までで、実際には年を取るとやり直しの機会は社会から与えられません。自分探しは、20代で終わりにした方が良いかと思います。なかなか、この物語のようにはいきません。