3つに共通しているのは恋人関係にある若い男女が主人公だということです。
本の題名になっている〈優しい音楽〉は一作目の表題です。そして、作中で音楽が関係しているのは一作目だけです。
二作目の表題〈タイムラグ〉では男女の関係が不倫になるのですが、ドロドロしたお話ではありません。3作とも読み終わったあと、胸が温かくなるようなお話になっています。
私が一番気に入ったのは、三作目の表題〈がらくた効果〉です。男女は同棲しています。その家に彼女が彼の同意を得ずにホームレスのおじさんを連れ込んでしまうところからお話が始まります。この彼女が底抜けに明るくて楽天的で、周りの人たちを笑顔に変えて行くのが読んでいてとても楽しかったです。
3つのお話どれもが約1時間で読み終わる作品なので、気軽に読み始めることができます。