知人に勧められたので映画館で観てきました。
韓国には地下室に小さな明かり窓を設けた格安物件がたくさんあり、経済的に最下層の人たちが暮らす不動産として利用されています。この映画はそんな半地下の物件で暮らす貧乏な家族の物語です。
貧乏人を主人公にした物語は、以下の3つかなと思っています。
①貧乏だけど明るく、たくましく生きていく話
②悪い金持ちから貧乏人がお金を奪い取って鼻を明かす話
③貧乏の悲惨さを広く知らしめるために作られた話
《パラサイト》はズバリ、③です。約2時間、映画を観た後に私がもった感想は、
「貧乏人は、どんなにあがいても一生貧乏なまま」
というものです。
とても現実的なラストだったのですが、映画なのになんの夢も希望もない終わり方で良いのか考えてしまいました。そのせいで、映画館を出るころには、とても憂鬱な気持ちになりました。
知人が、
「韓国の格差社会はすさまじい。あんな生活をしている人が80万人もいる。日本に生まれて良かった。」
と感想を述べたので、私は、
「日本に半地下の賃貸物件はないけど、生活保護を受けている人の生活はパラサイトの主人公たちと変わらないし、日本で生活保護を受けている人は2百万人以上いるよ。」
と教えてあげたら驚いてました。
いつの時代も平和が続くと経済格差が拡大しました。その不満が抑えられなくなると戦争や暴力革命が起こるのですが、現在はそのサイクルのどの辺りなんでしょうね。私は、戦争も革命も嫌だなぁ。