言葉が生まれるワケ

f:id:asuniwanarou:20170725155250j:plain

ラジオを聞いていたら、【メンター】という言葉が出てきました。その番組では言葉の意味を説明せずに、出演者たちが会話の中で使っていましたが、

 

『メンターって、説明が不用なほど一般的な言葉かしら?』

 

と思いながら、私は聞いていました。知らない人はネットで調べていただくとして、私は「頼りにする先輩」といった感じで理解しています。

 

正確には憶えていないのですが、2010年ころに私が勤めていた役所でも【メンター制度】が導入されました。30代の係長が会議室に集められ、約1時間かけて制度の仕組みを講義されました。聞いている最中は、

 

『ばかばかしい仕組みだ』

 

と思った私ですが、後になって冷静に考えると、制度として強制しなければ、そんな人間関係も築けなくなってしまったんだなぁ、と寂しい気持ちになりました。

 

私が役所に就職したのは平成4年ですが、その頃は、世話好きな先輩が各課に一人か二人はいて、仕事のやり方を親切に教えてくれたものでした。そういった先輩のもとには自然と人も集まり、仕事の節目には自然な流れで飲み会が発生し、強制されて師弟関係を築くなんてことはありませんでした。

 

空気のように存在し、人が意識して認識する必要がないものにはそれを指し示す言葉は存在しません。ですから、昔は【頼りにする先輩】にわざわざ【メンター】なんて言葉を当てて、認識する必要はなかったのです。【メンター】なんて言葉が生まれたワケは、かつて職場に自然な形で存在した、世話好きで親切な先輩が絶滅したことを意味しています。

 

「我が社にはメンター制度があります!」

 

なんて、誇らしげに宣伝している会社もあるようですが、そういった会社は制度として強制されなければ職場で師弟関係を築けない職場かもしれません。

 

なんでもマニュアルやシステムによって強制されなければ回らなくなった今の世の中を息苦しく思います。