益田ミリ、角川学芸出版
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40歳の益田さんが、中学から高校にかけての期間にできなかったことを回想しながら、例えば
『私は好きな男子の制服のほつれを縫ってあげたかった。でも、もう、手遅れなのである。』
といった具合に書き綴ったエッセイです。もてなくて残念だった青春時代を振り返って、「ふふっ」っと笑える内容に仕上げています。
でも、益田さんは、青春時代にもてなかったおかげで、こんな本を書いて出版できたんだから、塞翁が馬ですよね。たしかに美人はお得なことがたくさんあるけど、美人がちやほやされるのは希少だからで、美人に向けて共感されるための本を書いても商業ベースで採算がとれるほど売れないと思いますから。美人はマイナーで、その他大勢がメジャーなんです。
今、青春時代を過ごされている方が、
「これをやっておかないと後悔するのか。」
と思いながら読むもよし、かつて少女だった方が過ぎ去った青春時代を振り返りながら共感するもよしです。
最後に今、青春時代を過ごされている方々で、もてないことで残念な気持ちになっているあなたへ中年の私からメッセージです。
「安心して下さい。30過ぎたら、みんなオバサンですよ!」
私も益田さん同様、青春時代に外見で区別(差別?)されて、「不公平だなぁ」と思っていましたが、30過ぎると同級生の間では不公平感がなくなり、暮らしやすくなりました。いつまでも続くことではないので、ご安心を。