うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

あなたの人生、片づけます

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垣谷美雨双葉社
☆☆☆
4つの短編がおさめられています。4つともに登場するのは50代の小太りなおばちゃん、大庭十萬里(おおばとまり)です。

 

短編のそれぞれには、十萬里のお客になる片づけられない人が登場します。症状はバラバラで、汚部屋に暮らしているアラサー女子、大きなお屋敷に収納の限界まで物を買い集めたおばあさん、などなどです。

 

題名に《片づけます》とありますが、十萬里は普通の不用品回収業者や清掃会社と違います。どちらかというと、コンサルタントに近いです。お客さんたちは、途方に暮れていて、何から手を付けたらいいのか分からないので、十萬里が具体的に、

 

「2週間後までに〇〇にある物を捨てておいてください」

 

と命令して帰宅し、2週間後に確認しにくるという具合です。

 

具体的な指示と生活指導を重ねて、家をきれいにしつつ、リバウンドもさせない体質に改善させるのです。

 

物語としては、生活指導に重点が置かれていて、お客さん本人に直接働きかけたり、お客さんに影響力のある人を探し出して、その人から助言させたりと、カウンセラーとしても極めて有能です。

 

お客さん4人に共通しているのは心にポッカリと大きな穴が開いており、その穴を埋めるために物やゴミを家に溜め込んじゃったということです。

 

家をきれいにして、心までスッキリさせてくれる十萬里のような敏腕コンサルタントがいたら、物であふれた今の日本では大変な需要があると思いました。

 

とても面白い本なのでお勧めです。