うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

スーサ

f:id:asuniwanarou:20200619145852j:plain

あさのあつこ、徳間文庫

☆☆☆

間中歩美は14歳です。夢見がちで、運動は苦手です。一方、親友の智香は運動神経抜群でクラスの人気者です。

 

ある日、智香の家へ遊びに行ったときに智香の祖母・文子が語ってくれた、時空を超えてあらゆるものを売り買いするという幻の商人《スーサ》の話に歩美は感動します。

 

ところが、智香は交通事故で急逝。智香が亡くなる直前に小さなケンカをして気まずい気持ちでいた歩美はもう一度、智香に会って謝罪したいと強く願います。すると深夜にスーサが現れ、歩美の美しく長い黒髪と交換に取引が成立します。歩美は智香の魂の向かった先へスーサと旅立つのです。

 

中高生向けに書かれたファンタジーですが、51歳の私が読んでも大変面白い内容でした。ファンタジーには、ココではないどこかへ心を連れて行ってくれる力があります。十代の人たちには想像もつかないでしょうが、50歳を過ぎてもココではないどこかへ行きたいと願う気持ちは無くならないのです。たぶん、この気持ちは一生続くのでしょう。満たされて生きている人なんて、そうはいません。