バイオリンを弾いていると雑音がするようになってしまったので、近所のバイオリン工房に持って行きました。すると、
「どこも悪くありませんよ」
と診断されてしまい、修理しないで帰宅しました。検査だけなら無料なのでよかったのですが、弾いているときに感じる雑音は解決されませんでした。
そこで、家から1時間半かかる遠くのバイオリン工房へ初めて行ってみることにしました。すると、
「コレ、ウチで買った楽器じゃありませんよね?ウチは、ウチで買ってくれた楽器しか修理しないので帰ってください。」
と断られました。
もちろん、その工房へ行くことは二度とありませんが、腹が立つということはなく、
「社長は、やりたくない仕事は断れるんだなぁ」
と憧れを感じたのです。
私は起業したことがなく、給料をもらう形での労働しかしたことがありません。どこの職場でも上司からの指示は【お願い】ではなく、【命令】でしたから断ることはできませんでした。
私がうつ病になるまでの数年間は、達成不可能なプロジェクトのリーダーに任命され、工程表の通りに事業が進捗しないことで、毎週行われる進捗会議で罵倒されてたんですが、あのときに、
「私にはムリです!解任してください。」
と言えたらうつ病で役所を辞めることもなく、抗うつ薬を10年も飲み続けるなんてことにならなかったハズなので、やりたくないことにはためらいなく、『やだね』と言える社長に憧れます。もはや、カッコイイです。
これから社会人になるみなさん、サラリーマンは嫌な仕事や理不尽な命令にも従わなければなりません。それがどうしても嫌なら、起業して社長になることを検討するのも良いことだと思います。