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物語はネトゲ廃人のニートが親に捨てられるところから始まります。
オンラインRPGのハンドルネーム《刹那》という名前で活躍する主人公ですが、スペックは20代後半、彼女いない歴と年齢が一緒、勉強と運動は人並みで自慢できる特技はありません。
就職活動に失敗してからは、覚醒している間はオンラインRPGをやりつつ、自宅警備員をしていたのですが、遺産相続で母親の物になった海辺の別荘に強制移送されてしまいます。
その後、両親は秘密裏に引っ越しをして、《刹那》へのあらゆる補給を断つという、兵糧攻めに打って出たのです。さぁ、どうするんだニート!
という物語です。
題名になっている《二百十番館》ですが、
210=にーと
というダジャレからきています。
少しネタバレしますが、《刹那》は家賃収入を得ようとして、行き場がなかったり、自分の親のようにニートを捨てたい親へ、
「安く住めます。ネット環境あり。」
とか、
「格安でニートあずかります。」
みたいな広告を打ちます。この時の入居ルールが、
①家賃をきちんと払うこと。
②当番の家事をきちんとすること。
③近隣の人々に愛想良くすること。
④あいさつをすること。
⑤暴力は絶対にダメ。
などのルールなのですが、どこかの山奥で空き家にニートを集めて生活している団体が実際にあって、これと似ていました。なので、実際のモデルがあって着想を得たのかなぁ、と勘繰りました。
競争に敗れた人々にも活躍の場があれば良いのですが、今の時代、
勝者総取り
が現実ですからね。ニートになる人はこれから増えるんじゃないでしょうか。