原田ひ香、双葉社
☆☆☆
学生のときの仲良しグループではじめたベンチャー企業に、人生経験豊富な敏腕家政婦さんがやって来ます。
それまで、企業内では長所と短所を補い合って上手くやっていたのですが、唯一、家事の能力を持った人がいなかったため、小さな事務所の中が散らかっていて、食生活が貧弱だったのです。
段落ごとに企業内の一人が主人公になって、物語が進んで行きます。一つの段落は、1時間くらいで読めます。
主人公たちは、それぞれに悩みがあって、段落のはじめにそのことを主人公が語ってくれます。よくある悩みから深刻な悩みまで様々です。
どの段落にも共通していることは、ラストに家政婦さんが作った美味しい料理を主人公が食べて幸せな気持ちになること。けっしてご馳走ではないのだけれど、生きる活力を与えてくれる料理なのです。
【腹が減っては戦は出来ぬ】
とよく言いますが、美味しくて健康にも良い食事を摂ることは生きる基礎ですね。