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知的障害のある青年がヤクザから、
「あそこにいる人たちは悪い人たちだからこのピストルでやっつけて」
と騙されて、広域暴力団の組長を射殺してしまいます。
知的障害の青年はヤクザから追われることになるのですが、これを助けるために2人の中年男と青年1人が立ち上がります。
相手が広域暴力団なので、公共の交通機関を使えばすぐに見つかってしまいます。そこで、SNSを利用して逃亡を助けてくれる人たちを募って、各地を転々とするお話です。
さて、私はこの本を2つの点で興味を持ち購入しました。
①《守護天使》という題名。
②装丁のど真ん中に描かれたセーラー服の女の子。
①について
SNSを見てヒッチハイクしてくれる人々を《天使》とすれば良いのでしょうが、私は超常現象としての天使が登場すると思っていたので期待外れでした。
②について
セーラー服の女の子は本筋とは1ミリも関係のないサブキャラです。騙された気分。ジャロに通報したい。
また、このようなエンタメ小説は予想を裏切るような痛快なラストが必須ですが、ラストで知的障害の青年は複数のヤクザに取り囲まれて銃弾を何発も撃ち込まれて死んでしまいます。お話はそこであっけなくお終い。
私が編集者だったら、
「もうちょっと頑張ってラストを工夫しましょう」
とダメ出しして原稿を受け取りません。というわけで、この小説は5段階評価ならば評価《1》です。