うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

アヘン王国潜入記

高野秀行集英社文庫

☆☆☆

作者の高野さんは、

 

「誰も行ったことがない場所へ行って、誰もやったことがないことをして、それをたくさんの人に話したい」

 

という気持ちがあるそうです。その気持ちに突き動かされてこれまで色々な所へ行ったのですが、今回の旅先はゴールデントライアングルです。

 

その中でもミャンマーと中国の国境地帯にある武装ゲリラに支配された地帯で、事実上、治外法権になっている【ワ州】と呼ばれる場所です。

 

そこでは、現金収入を得るためアヘンを作っていて、高野さんは、

 

「ワ州に行って、ケシの種まきからアヘンの収穫までやってみたい」

 

と思い立ち、ついに実行に移したのです!

 

本を読むことの目的に仮想体験するため、というのがありますが、ゴールデントライアングルでアヘン作りをやった日本人は高野さん一人だけだと思うので、この本を読めばとびきりの仮想体験ができます。

 

高野さんは、ゲリラの幹部に許可をもらい、電気もガスも水道もない辺境の村に住んで、村人と一緒になって7か月間ケシの栽培に従事します。

 

小さな村の人間模様、文化、習慣、そして、収穫したアヘンを自ら吸引することでアヘンの効果、中毒とは何かまで体当たりで取材してます。

 

私はうつ病で、時々死にたくなってしまうのですが、高野さんがアヘンを吸引したときの様子を読んでいて、

 

「アヘンが身近にあって手に入ったら、私も吸引するだろう」

 

と思いました。大昔から体に悪いと分かっているアヘンがなぜ無くならないのか考えさせられます。

 

こんな本は他にありません。平凡な日常に飽きているあなた、麻薬密造地帯へ潜入して、現地の人々の生活を覗いて見ませんか?おススメの一冊です!