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いわゆるお仕事小説です。
茜は東京で夫と小学生低学年の男の子と三人で暮らしていたのですが、夫婦仲が悪くなり離婚。子供を連れて実家がある北陸のとある県に引っ越しました。
しかし、子供と二人で押しかけて養ってもらえるほどには実家は裕福ではなくて、スグにお金を稼ぐ必要がありました。
仕事を探した結果、茜が就職したのは北陸で行われている野球の独立リーグの球団であるアリゲーターズでした。
成績と経営が低迷しているアリゲーターズに就職した茜は、事務員とマスコットの中の人とを掛け持ちしながら奮闘します。茜はマジメな人なのです。
アリゲーターズの面々はというと、プロ野球から戦力外通告されたベテラン選手を筆頭に野球が好きでしょうがないんだけど、プロ野球選手にはなれない若手選手などで構成されています。
一部の選手を除けば、副業をしなければ生活が成り立たない悪条件のなか、野球の練習をし、勝利を掴もうとする選手たちはマジメな人たちです。
茜もマジメ、選手たちもマジメ、登場する人たち皆マジメに自分の人生をより良くするためにがんばる姿に勇気をもらえる小説です。
ただ、登場人物が皆、野球に対する思いが強いので意見が食い違ったとき簡単に折れることが出来ず衝突したり、騙したりして人間臭いドラマもあり、単なる熱血スポコン小説ではありません。ですから、肩の力を抜いてゆるい気持ちで読み始めてください。