高橋留美子、小学館
☆☆☆
古本屋をブラブラしていたら、懐かしい漫画と出会ったので買って帰り、結末が分かっているのに夢中になって読んでしまいました。
1980年から1987年にかけて青年誌に連載されていた漫画です。お話はアパートの管理人として音無響子という美女が変人ばかりが住むアパート、一刻館へやって来ることから始まります。彼女に一目惚れした五代祐作が様々な障害を乗り越え、閉ざされていた彼女の心を少しずつ開いていって、最後は結婚するというストーリーです。基本はラブコメディーで、ちょっとロマンスありな感じです。
青年誌で連載されていたのに、五代クンが響子サンを一途に想うお話です。今、青年誌でラブコメディーというと女性にもてる要素がない男性が突然モテ期を迎えて、言い寄ってくる複数の美女の中から意中の女性を選ぶという、俗に言うハーレム系なお話じゃないでしょうか?あくまで、男性からアプローチして、身持ちの堅い女性を攻略するなんて辺りに昭和を感じます。
作中に出てくる家電製品や自動車が昭和で、これが連載されていた当時10代だった私はとても懐かしくなりました。一番外見が変わってしまったのは電話でしょうか、今時の若者では使い方が分からない人もいるかもしれません。デジタルネイティブたちには携帯もインターネットもない時代の恋愛を漫画で読むというのも面白いと思います。待ち合わせ場所を間違えて二人で待ちぼうけなんて、今じゃ考えられませんからね。