村田沙耶香、講談社
☆☆☆
アラサー女子の性の悩みや思いが全編にわたって書かれた本です。なので、
「生々しい、SEXの話は苦手だ」
という方は読むのを止めた方がイイと思います。
かと言って、官能小説ではないので、そっち方面を期待して読むこともお勧めしません。SEXの場面は沢山出てきますが、内容はいたって真面目な本です。
《周期的に欲情してしまい、そうなると男とSEXをして性欲を処理しなければ生活に支障をきたしてしまう女》
《女の性は価値ある男を捕まえるためだけに使うべきだと信じている女》
《性欲が無いことを悩む女》
《赤ん坊が乳首を口に咥えると安心するような感覚で、ペニスを口や膣で咥えると安心する女》
《男とSEXすると面倒が多いので、女同士で性欲を処理できないか試してみる女》
などが物語に登場します。
よほど親しくならなければ他人の性癖などわからないので、みんなどうしているんだろう、と思っていませんか?理性では、一人ひとり違うんだろうなと思っているのですが、この本に登場するキャラクターたちも一人として同じ性癖のキャラクターは登場しません。
多くの人々には性欲があって、それが喜びであったり、悩みだったりするわけです。中には性欲を自己抑制できずに非合理的な行動を取ってしまい、人生を踏み外す人も少なくないわけですから、こういったテーマに真面目に向き合う本も必要ですよね。