うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

均ちゃんの失踪

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中島京子講談社

☆☆☆

《均ちゃん》と周りから呼ばれている男がいます。均ちゃんはいい加減で、いつもフラフラしている男なんですが、どうにも憎めない男で、3人の女と関係を持っています。

 

その女たちを年の順に紹介すると、

 

景子=50歳、元妻、均ちゃんが住んでいる一軒家の大家。
空穂=これで「うつほ」と読みます。35歳、外資系企業の重役秘書。
薫=26歳、出版社の編集者。

 

となり、ちなみに均ちゃんは42歳です。

 

均ちゃんはフリーのイラストレーターで、お金が無くなると仕事をして、貯金があるうちはフラフラしています。

 

景子と均ちゃんは大家と店子の関係でしかありませんが、空穂と薫とはセックスもする仲です。

 

均ちゃんは女たちに自分の女性関係を話すわけじゃありませんが、女たちはこんないい加減な男が私一人だけ愛しているわけがないとうすうす知っていて、それでも寂しいときにメール一本で会いに来てくれて、望んだ時にはセックスもしてくれる均ちゃんを便利に使っているという感じです。

 

まぁ、日本にはたくさんの人が住んでますからこんな男女関係もあるのかもしれません。

 

しかし、そんな、いるんだかいないんだか分からないところが長所だった男が本格的に失踪して姿を消しました。そのことをきっかけに知り合いになった3人の女たち。「浮気された!」と怒り出すわけでもなく、「さて、どうしたものか~」と相談しだすのですが、どんな結末を迎えるのかというお話です。

 

好き勝手に生きて、誰からも憎まれない均ちゃんの人柄に、私はあこがれました。