うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

あさひなぐ 17巻

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こざき亜衣小学館
☆☆☆
薙刀に青春をかける高校生たちの漫画です。

 

17巻では、普段の二ツ坂高校薙刀部を描いています。なので、試合に関する描写はあまりなく、部内の人間関係や部員と薙刀にまつわる背景などに紙面がさかれています。

 

部長が野上えりから紺野さくらに代替わりして部の雰囲気が少し変わっています。

 

私は中学、高校と卓球部だったのですが、一対一で戦うという点で薙刀と共通点があるなぁ、と思いながら読んでいます。

 

野球やサッカーのような集団競技の部内の人間関係って経験したことがないので分からないのですが、一対一で戦う個人競技の部内では、はっきりカーストができあがる気がします。戦えば優劣が明確になるので、勝率の高い子の発言権は強くなるし、負けてばかりの子には発言権はありません。

 

一時、そのことで紺野さくらが腐ってしまって退部の危機に直面したのですが、精神的な成長を見せて薙刀部に帰ってきて、今や部長にまでなっているのは感動です。現実では技術的に優れた子は、そうでない子を馬鹿にするのですが、二ツ坂高校薙刀部では部員同士で相手を尊敬し合っているため好印象を与えます。

 

上手な子は、自分を高めてくれる上手な人と練習したがるものです。その気持ちを隠そうともしない國陵高校の一堂寧々はこの漫画の中では特異な存在にうつりますが、私の経験ではこれが普通だと思います。出来る子は、出来ない子に対して、あたりが厳しいのが現実です。

 

東島旭の恋愛も少し描かれていて、今後が楽しみです。主人公の旭も、もうすぐ部内で最上級生、あこがれの先輩である宮路真春と一緒に練習できるのもあと少しです。作者のこざきサンが二人にどんな別れを用意しているのか次回作が待ち遠しいです。