みうらかれん、講談社
☆☆☆
小学校の高学年から中学生までを対象に書かれた児童書です。
中学校に入学したばかりの百木八枝は、得意なことや興味があることがなかったために、どこの部活にも入っていませんでした。しかし、そんな八枝の能力を見抜いた佐伯幸司先生が部員がいなくなって廃部になった部活の復活を八枝に託します。
八枝の能力とは、《困っている人を放っておけない》ことです。そこで、佐伯先生は八枝を環境部の部長にスカウトしたのです。環境部とは、簡単に言ってしまえば放課後にボランティア活動をする部活なんですが、校内の雑用を行う以外にも、生徒のお悩み相談も扱っていて、へんてこりんな相談が持ち込まれます。相談内容をばらしても物語の内容は想像できないと思うので、ばらしてしまいます。
①私を関西人にしてほしい。
②好きな女子と仲良しになりたい。(←相談者は女子)
③根暗な自分をポジティブにしたい。
最初は八枝ひとりで始まった環境部も、八枝の人柄にひかれて部員が増えていきます。暴走しがちな八枝に冷静さを取り戻させてくれるクールビューティーな小見川佳乃。中学生らしからぬ落ち着いた物腰から人生5回目と噂される環境部の良心、九十九孝明。
環境部に持ち込まれた難題を八枝と魅力的な仲間たちが、真剣に解決に向けて努力します。ハッピーエンドになるかどうかは読んでみてのお楽しみです。
いくつも挿絵があって、活字が苦手な人にもやさしい本になっています。