ホリエモンの本が売れているみたいで、近所の本屋さんへ行くと彼の本が何種類も平積みされています。
本のオビには、
「修行なんてムダ」
「教育は洗脳だ」
「好きなことだけして生きろ」
「本音で生きろ」
「会社なんていらない」
などの刺激的な言葉がちりばめられています。
これらの宣伝文句に釣られて主に若者が買っていくみたいですが、ほとんどの人がホリエモンを誤解していると思います。
ホリエモンの本を買った多くの人が、既存の権力や社会システムに抵抗するシンボルとしてホリエモンを崇拝しているのですが、それは間違っています。
ホリエモンは才能がある人に向かって、
「(才能がある人は)サラリーマンになんてならずに起業すればイイのに」
と勧めているんであって、ホリエモン自身は反権力でもなんでもありません。
ホリエモンの日ごろの言動を見ていれば、彼が馬鹿な怠け者を軽蔑しているのは一目瞭然です。ですから、ホリエモンの本は落ちこぼれに向けて書かれた本ではありません。
ホリエモンは今、小型ロケットの開発を手掛ける会社に投資しています。この分野は日本でも東証一部上場企業が競合相手として参入していますし、アメリカ、インド、ロシアなどの企業も開発を行っています。そういった厳しい競争に挑戦することができる才能をホリエモンは愛しているのです。
このことをわかり易く例えるならば、
「ホリエモンは100メートルを9秒台で走れる人が好き」
と言い換えてよいと思います。だって、世界で勝てる才能ってそういうことでしょ?
これらのことから、ホリエモンが才能ある人にだけメッセージを発信していることがお分かりいただけたでしょうか?ホリエモンが求めているのは、自由に競争できる社会であり、そういった厳しい競争に打ち勝つ才能とタフな精神を持った若者です。けっして、既存の権力や社会システムに不満を持つ落ちこぼれたちの代弁者ではありません。
世界に通用する才能を持っている人なんて滅多にいませんから、多くの人にとってホリエモンの本を買うことは、ドブにお金を捨てるのと同じことです。