瀬尾まいこ、文春文庫
☆☆☆
大阪の下町に庶民的な家族経営の中華料理店がありました。そこの二人息子が主人公です。
要領が良く、ルックスも良い兄のヘイスケ。みんなを笑わせるのが好きでボケがうまく、単純な性格の弟がコウスケ。物語は兄と弟の目線で交互に語られていきます。
二人は歳の差が1つしか違いません。物語の始まりでヘイスケは小説家になるための専門学校に通うため東京へ行ってしまいます。そして、コウスケは高校三年生になり、進路について考えます。
若い二人が、東京と大阪で自分を見つめなおす物語です。
瀬尾まいこサンの本は何冊か読みましたが、ハズレがありません。いつも安定した品質の本を出していて、すごい人だなと思います。
青春小説としても優れた作品なのですが、読んでいて「プッ」と笑ってしまう箇所がたくさんあって、まるで漫才のネタ帳を読んでいるみたいでした。しばらく笑ってないな、と思っている方はこの本を読んで笑ってみることをお勧めします。
性格は違いますが、ヘイスケもコウスケもナイスガイなので、女性読者にファン投票させたいです。どちらが女性受けするのか興味あります。女性でこの本を読んだことのある方、どちらが好みかコメントください。